HUNTER×HUNTER第38巻が9月4日(水)に発売されることが告知されました。
37巻発売から1年10ヵ月、実に670日ぶりの単行本発売です。
王位継承戦の面々に加え、カキンマフィアとその構成員も加わり、更なる混乱が予想されるB・W号船内。
38巻の発売の前に、37巻までの謎と解答をまとめます。
前巻第37巻のまとめ
王位継承編は人の動きも情報も錯綜し、何がどのように進んでいるのかいないのか、パッとは分からないところに面白さがあります。
簡単なパズルにはすぐ飽きてしまい、難しいパズルほどのめり込むのと同じような仕組みでしょう。
そんな中でも、37巻までに進行し、今後の話の展開にも影響しそうなトピックが大きく3つあります。
1つ目は、仲の良かった第10王子カチョウと第11王子フウゲツのうち、第10王子が亡くなった点です。
ただ、第10王子の守護霊獣はその死を契機に第10王子の姿となって第11王子にとり憑き、その守護者となっています。
第11王子は第10王子が存命しているものと思っているため、今後第11王子の守護されるときが第10王子の死を知るときでもあり、それがいつ、どのタイミングで降りかかるのかは今後の展開次第です。
2つ目のトピックは、第4王子ツェリードニヒが念能力を修得したことです。
元々ハンターを護衛に雇用していた第4王子ですが、クラピカの船内放送によって念能力の存在を知り、そこから護衛のハンター(テータ)に教えを乞い、念能力修得に向けて修行を進めていました。
修得した念能力は「10秒間の未来予知とその間の自由行動」ですが、37巻の時点でその能力を知っているのは第4王子ただ一人です。
まだ誰にも能力を知られていないこと、知られる前に亡き者にしてしまえば無敵の状況を維持できることから、特に今後の王位継承戦の中心となるだろう存在です。
3つ目は、エイ=イ一家組長モレナが一般人や他の組員を殺すよう組員を動かし始めたことで、シュウ=ウ一家とシャ=ア一家両陣営がエイ=イ一家を潰しにかかり始めたことです。
特に、シャ=ア一家の若頭オウは幻影旅団(ノブナガ・シャンクス・フェイタン組)と接触し、船内での組員殺害事件について協力関係を結ぼうと持ちかけます。
旅団の目的はヒソカですが、この協力関係の成立によって友好関係と敵対関係がゆるく形成されたのも今後のポイントです。
ストーリーを理解するための中心人物
登場人物たちが搭乗しているB・W号は、第1層から第5層に区画が分割されています。
第1,2層は王族と富裕層、第3~5層は一般客が乗船しており、特に第1層と第3~5層は別の世界であるかのように物語は進行しています。
第1層と第3~5層にはそれぞれ中心人物が2人ずつおり、その2人が両輪となって物語を動かしています。
第1層
第37巻における中心人物の1人は、第9王子ハルケンブルグです。
彼は誠実で思いやりに篤く、第12王子モモゼの死にも胸を痛めていた人物です。
そんな彼が王子同士の殺し合いを容認するはずもなく、当初は現国王たるホイコーロ王暗殺を企てますが、その企みはお互いの念獣によって阻まれてしまいます。
暗殺が未遂に終わったことで第9王子は覚悟を決め、自身の警護人たちと結託し、王位継承戦を勝ち抜く方針に切り替えます。
警護人たちと力を合わせる相互協力型の第9王子の念能力”弓”は、発動したことを第1層の念能力者全員が感知できるほど莫大な力を有しています。
しかも、その”弓”は回避も防御も不可のため、第1層の念能力者全員が警戒しています。
ハルケンブルグが「動」の中心とするなら、「静」の中心は第4王子ツェリードニヒです。
彼は緋の眼を保有していることからクラピカの対象でもありましたが、王位継承戦の中でいち早く念能力の有力性に気付き、護衛任務に就いていたハンター(テータ)から念の稽古をつけてもらっていました。
第37巻ではその能力が開眼します。
彼の能力は未来視であり、10秒先までの事象を予見した上で、その10秒間は彼だけが行動できるといったものです。
テータはツェリードニヒの念の禍々しさから彼の殺害を実行しようとしますが、すんでのところで彼の能力が目覚め、目論見は失敗してしまいます。
第9王子と異なり、船内の誰も第4王子の念能力開眼もその内容も知らないこと、防御も回避も不可能な第9王子の能力を回避し得る潜在能力を秘めた念能力であることから、第4王子もまた第1層の中心人物と目されます。
第3~5層
第3~5層の台風の目はエイ=イ一家新組長モレナです。
モレナは組長に就任したばかりですが、希死念慮と破滅願望が強く、他者と世界の残酷さを呪っていることが彼女のモノローグで語られています。
そこから、23人の組員を使い、第3~5層での殺戮を奨励し始めました。
念能力者だけでなく一般客までを対象に騒動を起こし始めたことから、他の2陣営(シュウ=ウ一家・シャ=ア一家)からも目をつけられ、マフィア同士の抗争が勃発しています。
そのモレナですが、第1層には不在が確認されたものの、どの階層にいるかも分かっておらず、何を目的としているのか、どんな行動をしているのかも未だに語られてはいません。
モレナが中心となりその組員たちが事件や殺人を引き起こしているのは確かですが、その震源たるモレナがストーリーには登場しないのが難解さを高めています。
もう1人の台風の目がヒソカです。
ヒソカはB・W号乗船前に幻影旅団団員2名を殺害し、他の団員全員からの恨みを買っています。
その旅団もまた第1,2層にあると思しき「お宝」を目当てにB・W号に搭乗していましたが、ヒソカも乗船していると知るや目的を切り替え、ヒソカ抹殺に向けて動き出しました。
ヒソカはイルミとも契約し自身を探させていること、ヒソカを倒し旅団に有利なカードを手に入れようとしているシュウ=ウ一家やシャ=ア一家からも狙われていることからも、ヒソカが第3~5層の中心人物であることが見て取れます。
多くの登場人物がヒソカを探しているにもかかわらず、B・W号に搭乗してから37巻までヒソカは登場していないため、こちらもどこで何をしているか不明なままです。
不在のまま登場人物を引き付けるヒソカは作劇上引力のような役割を担っており、周囲に騒乱を撒き散らす、さながら斥力のような役割を担っているモレナとは対照的です。
この見えない2人がストーリーを動かしている点に留意すると、38巻の内容もぐっと理解しやすくなるでしょう。
まとめ
最後に、36巻までの謎とその解答と、37巻で新たに提示された謎をまとめておきます。
謎 | 解答 | 登場回/解答回 |
ナニカは何? | 暗黒大陸にいるガス生命体アイの類縁か | 341話/??? |
「許可」「資格」「手段」「契約」とは? | ??? | 345話/??? |
ウッディーらを殺したのは誰? | ???。使用能力は11人いる! | 359話/??? |
クラピカと一緒に生き残った警護人(ビル)の能力は何? | 球根。強化系で細胞機能活性化のようだが詳細不明 | 361話/388話 |
サレサレ(第8王子)は次の晩餐会で何をしようとしている? | 館内放送での(クソ)ラップ | 366話/387話 |
バリゲン・ミュハンを殺したのは誰? | ???。使用能力は11人いる! | 370・376話/??? |
死んだ王子たちはどうなる? | ??? | 371話/??? |
ツェリードニヒ(第4王子)の能力は何? | 閉眼し絶を行うと、10秒先の未来が視える 開眼後10秒間、自身だけが行動できる | 376話/387話 |
センリツとキーニは何を話した? | キーニがカチョウとフウゲツを逃がした後、責を負って自害するつもりであること | 381話/383話 |
テータが「明日にでもやれる」のは何? | “絶”中で無防備なツェリードニヒの暗殺 | 384話/385話 |
ツェリードニヒが死ななかったのはなぜ? | ツェリードニヒの念能力 テータが射殺されたツェリードニヒの像を見ている10秒間、 現実のツェリードニヒは未来視し弾丸を回避していた | 385話/387話 |
第1王子私設兵シカクの意志(魂)はどこへ? | ???。スミドリの意志(魂)が亡くなるとスミドリの肉体で覚醒? | 386話/??? |
兵隊長バルサミルコがリハンに「自重」と指示したのはなぜ? | 「シカクは操作系であって能力発動時まず自身を操作する。故にシカクは操作された訳ではない。よってハルケンブルグの能力は操作系ではない」とリハンに自ら気づかせるため | 388話/389話 |
4度目の鳴動は何? | ???。鳴動はハルケンブルグの能力発動の証だが1009号室で何が行われているか不明 | 388話/??? |
なぜシカクは1007号室前で自死した? | ??? | 389話/??? |
ハルケンブルグの第1回公判でベンジャミンは何を仕掛ける? | ??? | 389話/??? |
第3王子の守護念獣の出したコインの数字はなぜ増える? | ??? | 389話/??? |
ハルケンブルグの次なる一手はいよいよ他の王子を手にかけることなのか、ツェリードニヒは動くのか、モレナとヒソカはどこで何をしているのか明らかになるのか、そして冨樫義博先生の腰は大丈夫なのか。
期待と不安渦巻く最新第38巻は、9月4日(水)発売です。
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