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治療プロセス

メンタル治療に携わっているところは、なかなか治療プロセスを開示してくれません
「治療プロセスはオーダーメイドで作ります」「一人ひとりの気持ちに寄り添いながら治療していきます」などの言葉で行き当たりばったりで治療していることをぼかします。

ここでは当オフィスの治療プロセスを例にひきながら、メンタル不調になった人の回復までの流れを説明します。

メンタル治療におけるつまずき

治療プロセスによって最適な行動は変わってくる

当オフィスでは相談者に治療プロセスについて説明するとき、詰め替え用洗剤や柔軟剤を“気力”に見立てて話します。
容器に詰め替えるときのつまずきポイントがメンタル治療上の失敗しやすいところと似ているからです。

序盤のつまずき

空き容器に液体を詰め替えるとき、最もやりがちな失敗は、勢いよく出すぎて注ぎ口に入らないケースです。
最近は注ぎ口が斜めにカットされていてこぼしにくいようになってはいますが、それがないものだと、多くの人が最も経験したことのある失敗ではないでしょうか。

治療序盤のつまずきは改善しないこと

メンタル治療も、一番つまずきやすいのは最初のセッションです。
何となく治療者の言っていることがしっくり来なかったり、先入観で一方的に話されて「わたしには合わない」と感じたりすることが多いようです。

また、最初のセッションで効果を実感できないという場合や、「最初に言われたこと」や「やると決めたこと」のハードルが高すぎて、すぐ挫折したというケースもあります。
治療者として本音を言えば、治療を受けに行こうと決めたこと、お金を払ってでも治りたいと思ったこと、家から出て治療院に着いたこと、初対面の治療者と話したこと、その全てが賞賛に値することなのですから、最初のセッションでそんなに多くのことをやる必要はないのです。

そんな相談者と治療者の空回りを抑え、ゆっくりと、しかし着実に始めることがメンタル治療の序盤には必要です。

中盤のつまずき

次にやりがちな失敗は、注いでいる最中に注いでいるものをどんどん傾けてしまい、中身が出すぎてしまったり容器が勢いで倒れてしまったりすることです。
ある程度のところまで注げば、あとは傾斜をつけなくても自然に流れ出てくるのですが、傾け始めるとどんどん傾けていきたくなってしまうのが人間心理です。

中盤のつまずきは無理したために維持できなくなること

メンタル治療でも、治療開始してある程度変化が見られたら、その状態を維持したり、取り組みを継続したりすることが必要です。
ダンベルを「持つ」ことはできても「持ち続ける」ことは難しいように、「走り出す」ことはできても「走り続ける」ことは苦しいように、開始と継続は全く違うものだということは肝に銘じておかなければなりません。

終盤のつまずき

最後に起こりがちな失敗は、注ぐものの勢いが落ちているのにそれを計算に入れておかず、容器の手前に何滴かたらしてしまうケースです。
出る量が減ることをあらかじめ見越しておき、これまで傾けてきたものを一旦止め、逆にそれを戻すように動かす必要があります。

治療終盤のつまずきは再発させてしまうこと

治療でも、最後の詰めをしないまま終結しているケースによく遭遇します。
症状がなくなったので気を良くし、この先どのような再発可能性があるかを考えなかったり、逆に「まだ完全じゃないから」と通院(通所)を続けさせて、治療者と依存関係にさせたりするのです。

メンタル治療は症状消失がゴールではなく、自立と自律がゴールであるべきです。
うつは「こころの風邪」ではなく「こころの骨折」くらいには自然回復しづらい疾患ですが、風邪にせよ骨折にせよ通院している間は、たとえ痛みがなくなっても「治った」とは言わないでしょう。
自立も自律も目指さず、薬やカウンセリングを続けているのに治療院が「治せる」と謳うのは、おかしな話です。

東京カウンセリングオフィスの治療プロセス

治療フェイズに合わせた心理療法の一例

序盤・中盤・終盤のつまずきポイントを踏まえて、当オフィスはフェイズに合わせた心理療法を組み合わせて実施しています。
メンタル疾患が「治る」ということにイメージが湧きづらい方も多いと思いますので、一例として参考にしていただければと思います。

ブレインスポッティング

当オフィスは薬剤抵抗性が高く、カウンセリングによる治療効果が上がりやすいトラウマ(PTSD)治療を専門的におこなっています。
トラウマ治療に有効で、かつトラウマ記憶のことを根掘り葉掘り聞き出さずに治療的介入ができる点から、序盤の治療にはブレインスポッティングを採用しています。

身体感覚から気持ちやこころといった感情面を穏やかにする効果もあるため、うつや不安障害の方にも実施する場合があります。

動機づけ面接法

トラウマ記憶に対する身体反応が治まってきたところを見計らい、中盤には動機づけ面接法を実施します。
トラウマ治療は症状が消失しただけで完了することはなく、むしろ二次障害としてのうつや不眠症で悩んでいる方が多いのです。

動機づけ面接法の良い点は、相談者が何を目指して治りたいのか、何をやめたくて何を始めたいのかといった価値観を明確にできるところです。
メンタル治療は動機がはっきりしないと途中で挫折しやすいですが、自分の価値観が明確だと継続しやすく、また少しくらいできない日があっても全て投げ出してしまうことは少なくなります。

「何の行動を」動機づけるかが決まっていないところも、動機づけ面接法の強みです。
例えば、対人関係療法だったら対人場面を、家族療法だったら家族成員とのコミュニケーションを取り上げなければなりませんが、動機づけ面接法は話題をフレキシブルに相談者と決められます。
睡眠に課題があれば睡眠習慣を、気持ちを前向きにしたければ快行動を動機づけ、モチベーションを高めることができるのです。

行動活性化療法

健常者と同じくらいにまで回復してきたら、終盤には行動活性化療法を実施します。
メンタル不調になったときのトリガーは何か、どんな風に悪循環に陥っていたかを振り返り、再発しないためには何をするか、特に誰と関わったり支えてもらったりすればいいかを、実際に取り組んでもらいながら習慣化と安定化を目指していきます

もちろん、認知行動療法やNLPをはじめ、困りごとに応じていま挙げたもの以外の心理療法や技法を用いることもあります。
しかし、つまずきポイントを意識した治療プロセスが大きく変わることはありませんので、およそ何回を何週間でどのような状態を目指せるかをお話しできるのが、当オフィスの特長です。

まとめ

治療プロセスの課題は大きく序盤・中盤・終盤に分かれ、それぞれに課題が異なります。
①序盤の課題は介入しても改善しないこと、②中盤の課題は行動を維持できないこと、③終盤の課題は再発に対して何の対策も行わないことです。

当オフィスの場合、序盤・中盤・終盤で心理療法を切り替えることでそれぞれの課題を克服しています。
他の治療院でつまずいた方、治療に失敗して延々と治療を続けたくない方は、当オフィスにご相談ください。

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