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カウンセリングQ&A

カウンセリングに関する疑問に答えます。
回答は順次追加していきます。

カウンセリングの内容

どんな人がカウンセリングを受ける?

カウンセリングは生活上の悩み、特に対人関係の悩みを相談する場です。
両親との関係についての悩み、職場の同僚や上司についての悩み、夫や妻、友人についての悩みを話すことが多いです。

少し特殊ですが、主治医に関する悩みや、別のカウンセラーとの関係についての悩み、ということもあります。

生活していく中での悩みは人間関係のものだけでなく、直面している問題や、抱えている課題のこともあります。
この場合は、「心理士による」カウンセリングということで、心の専門家としての側面が強くなります。

休職から復帰するにはどうしたらいいか、再発しないための心構えは、過労でつらいがどこか受診すべきか、といった相談内容があります。

その他、得意としている療法や学派によって、より専門的なカウンセリングも存在します。
精神分析的なものなら深層心理への理解を深めるもの、行動療法的なものなら行動上の問題の解消を目指すもの、当院のようにトラウマ専門院なら、幼少期や職場でのトラウマの苦痛を緩和するものになります。

したがって、カウンセリングを受けるのは、上記のような悩みを持った人、ということになります。

カウンセリングの効果は?

カウンセリングを終えると、物事の捉え方が広く柔軟になり、見える世界が変わります
当院では認知行動療法という心理療法を用いることがあり、そこではその効果を「認知変容」といいますが、これは他の心理療法や流派であっても、似たような変化が起きると思われます。

カウンセリングの効果をたとえるなら、それはパソコンやスマホのバックグラウンド処理を行う、アプリのようなものです。
ひとたびアプリをインストールしてしまえば、どんな状況、どんな場面でもアプリが働き、電池効率を高めてくれたり、消耗を抑えてくれたりします。

カウンセリングも同様に、一度コツを掴んでしまえば、状況や相手が変わっても、多面的な捉え方や柔軟な視点の切り替えができるようになります。

「カウンセリングに通う」という経験もあまりしたことのない方が大半でしょう。
あえて医療でたとえるなら、歯科の通院に近いです。

治療を要する方は、なるべく短い回数で施術します。
複数の箇所が傷んでいるようなら、それだけ回数もかかります(歯のようにあと何本」と言えないのが問題ですが)

治療が終わっても、そのままの生活を続ければまた虫歯や歯周病にかかるので、定期的にメンテナンスを行い、治療を要するまでになっていないか確認する方もいます。
カウンセリングも、ずっと治療的なアプローチをしているというよりは、まず治し、その後予防という流れをシームレスにおこなっている印象です。

カウンセリングの良いところは?

カウンセリングの利点は大きく3つです。

1つは、確保された時間の中で、悩みや困りごとを肯定的に話すことができる点です。
話したそばから否定されたり非難されたりしてしまうと、そのことへの反発や失望の感情が生じてうまく考えをまとめられなくなりますが、そういったものがないことで、状況が整理されたり、気持ちが落ち着いてきたりします。

2つ目は、カウンセラーという部外者に話せる点です。
日々生活していると、周囲には同僚や友人といった関係者もいますが、それらの人はまた別の人とも関係があり、「他の人に話されるのではないか」等の懸念を抱きながら話さねばなりません。

守秘義務のあるカウンセラーになら、普段話すあてのない話も打ち明けることができます。

3つ目は、心理学の専門家からの助言アドバイス意見コメントを受けられる点です。
日常生活ではあまり関わることのない、心理やメンタルヘルスの観点からの話を聞くと、普段とは違ったものの見方ができる場合があります。

ただ、心理学の視点は他の専門家の視点よりずっと市民生活に近いため、期待しすぎるのは禁物でしょう。

カウンセリングの注意点は?

1つには、カウンセリング外での判断基準をなるべく持ち込まないことです。

「これは話しちゃダメなんじゃないか」「こんなこと言ったら否定されそう」という判断を話す前からしてしまうと、カウンセリングの効果の半分も発揮できません。
同じく、カウンセラーの期待しているであろう回答をするのも、不満が溜まるばかりで効果は半減します。

一方で、カウンセラーを人間扱いしなくなることにも注意が必要です。
カウンセラーに罵倒を投げつければ傷つきますし、脅されれば恐怖も感じます。

よく「カウンセリングでは何でも話していい」と誤解している方がいますが、そんなことは全くありません。
入室したら挨拶し、時間に遅れれば謝るという、社会の対人関係上のルールは求められます。

カウンセリングを受ける人の呼び方は?

一般的なカウンセリングでは、カウンセリングを受ける人のことを「クライエント(client)」と呼びます。
客という呼び方と区別したいこだわりでもあるのか、「クライント」とは呼びたくないようです。

当院では、「相談者さん(相談者様)」と呼んでいます。
また、カウンセリング中は「○○さん(苗字)」とお呼びしています。

カウンセリングの仕組み

カウンセリングの平均時間は?

臨床心理士育成機関でもある大学附属のカウンセリングルームでは、およそ50~90分で面談をおこなっています。
これにならい、一般のカウンセリングルームでも、1回50~90分のところが多いようです。

心理カウンセラーは1時間いくら?

対面カウンセリングの場合、1回60分8,000~10,000円のところが多いようです。
オンラインカウンセリングの場合、1回60分6,000~7,000円が相場のようです。(2023年5月現在)

カウンセリングはなぜ高い?

一言で言うと、カウンセラーはビジネス(商売・事業)が下手だからです。
カウンセラーは人のために働きたい方が大半ですが、その熱意を技術向上や知識獲得に費やしてしまっています。

そのため、ビジネスによって多くの人のためになることをしよう、という頭を持ち合わせていないことがほとんどです。

大学や大学院のカリキュラムにも、「カウンセリング事業経営学」のようなものはなく、ビジネスを学ぼうとか、組織内でビジネスに関わる要職に就こうとかいう熱意も乏しいです。
「そんなことを勉強するくらいなら心理学を学びたい」と、どこまでも学問としての心理学を探究する熱意しかないため、人を相手にする職業にもかかわらず、人を幸福にする仕組み作りに疎く、結果、困っている人の一部にしかサービスを訴求できないのです。

カウンセリングが保険適用外なのはなぜ?

カウンセリングが高額になる理由の1つには、カウンセリングが保険適用外であり、全額自己負担だからということもあります。
医師が精神療法をおこなった場合か、医師か看護師が認知行動療法をおこなった場合に限り、カウンセリングは保険適用され、それ以外の場合には自費全額自己負担になります。

ただこれも、心理療法とその効果への理解を広め、次いでその実施者である臨床心理士や公認心理師を広めていけば、保険収載される道はありました。
実際にそうなっていないのは、現在の臨床心理士が「心理療法への理解を広める」ことを放置し、「心理士の社会的地位向上」の方に注力してしまったからです。

その結果、国家資格としての公認心理師資格は成立しましたが、カウンセリングは保険適用外のままになりました。

もし、臨床心理士が組織的に動き、心理療法の効果を世間に浸透させることができれば、保険適用の声も省庁の無視できないものになるのですが、現実にはそういったアプローチを実行する人はいませんでした。
カウンセリングが保険適用されないのも、カウンセラーの組織的活動のできなさが根幹です。

カウンセリングの選び方

心療内科とカウンセリングのどっちにかかるのがいい?

心療内科を受診した方が良いのは、薬の処方を受けたいとき、業務軽減や休職等の診断書が欲しいとき、採血をはじめとする各種検査や医学的処置を希望するときです。
一方、カウンセリングは、悩みや困りごとを整理したり解決したりしたい、気持ちや感情に折り合いをつけるのを支援してほしい、心理的な観点からの助言や意見が欲しいときに利用するものになります。

どちらにかかったら良いか迷われる方は、一度当院にご相談いただければと思います。

精神科のカウンセリングでは何を話す?

精神科や心療内科に隣接してカウンセリングルームがあったり、保険診療ではなく自費でカウンセリングを受けられたりするところもあります。
そこでも、基本的にはカウンセリング単独で話す内容と同じものを話してよいです。

日頃不安に感じていること、落ち込んだ出来事、睡眠の状態や変化、食欲の増減があったかどうかなどが主です。
診断された病名があれば、その診断基準に目を通し、記載されている項目を参考に話すのも良いでしょう。

継続的に通院するようになれば、前回に比べて良くなったところ、軽くなった症状などを話すのも良いです。

良いカウンセラーの見分け方は?

カウンセラーの「良い-悪い」にもいくつかの尺度があると思いますが、ここでは「治せること-良い」で回答してみます。
その観点だと、見立て・見通しを話せるのは良いカウンセラー、と言えるでしょう。

頭の中に思い浮かぶ完成図や結果のことを心的イメージといいます。
プロスポーツ選手や世界的演奏家などのプレイヤーとアマチュアとの差は、この心的イメージが精緻せいちで明確かの差にあると言われています。

カウンセラーも、良いカウンセラーは心的イメージに優れ、どういう状態を目指せるか話せることが、(練習経験ではなく)治療経験の多さを示していると考えられます。
逆に、ケース数だけ多かったり、ただ共感と傾聴を続けたりするカウンセラーは見通しを充分に話すことができません。

カウンセリングに臨んだ際には、見立てや見通しを確認してみるのが良いでしょう。

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