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BUMP OF CHICKEN概論

BUMP OF CHICKEN(Vo.藤原基央)の歌詞には、人の心を打つ特徴(仕掛け)がいくつも散りばめられています。
それは万人受けするような分かりやすいフレーズと情景ではなく、むしろある特定の人たちの感情に対して特に響く(刺さる)ように紡がれたもののように感じます。

その特徴の一部を紹介しながら、個人的に解説していきたいと思います。

アンビバレント

アンビバレント ambivalent 両価性とは、「相反する感情や考えを同時に心に抱いている状態」を意味する心理学(精神分析)用語です。
一般的な現象としては、「嫌いだけど好き」「愛しているけれど憎んでもいる」といった心情を指します。

BUMPの歌詞にはこのアンビバレントな表現が非常に多く用いられています
はっきり言ってしまえば、アンビバレントな表現の出てこない曲を見つける方が難しいくらいです。

・滲んだ景色の中で 滲まずに揺れてた(ハルシオン)
・死にたくなるよ 生きていたいよ(才悩人応援歌)
・自分で選んできたのに 選ばされたと思いたい((please)forgive)

アンビバレントな表現の盛り込まれた歌詞の効果は2つあると考えられます。
一つは、相反する2つの感情や考えを抱いている聴き手を「2つの感情を持っていてもいいんだ。気持ちや考えが揺らいでもいいんだ」と受容し、救いと安心を与えることができます。

誰しも葛藤や矛盾、「やるけどやりたくはない」「立ち向かうけど本当は逃げたい」といったアンビバレントな感情や考えは抱くものですし、それに耳を傾けるのが私たちカウンセラーの仕事の一つでもあります。
しかし、そういった気持ちを持った人から世界を見るとみんな迷ったり悩んだりせず一貫しているように見え、またそういう真っ直ぐな人ほど周囲から好かれたり人を惹きつけているように見えたりするので、悩んでいる人はより一層いたたまれない気持ちになってしまうのです。

BUMPの歌詞は、そんなアンビバレントな気持ちや悩みを持った人に「相反する2つの気持ちを持っていていいんだよ。悩んだって迷ったっていいんだ。僕だって悩むんだから」と語りかけているように感じます。
悩みは人生の数だけあるかもしれませんが、BUMPはその中のアンビバレントを全て歌おうとしているのではないかと思えるくらい、多様なアンビバレントを歌詞に載せることで葛藤を抱きがちな人の気持ちに寄り添ってくれます。

同様の手法は、Mr.ChildrenやRADWIMPSの歌詞にも見られます。

慣用表現の「外し」

歌謡曲やJ-POPの歌詞には定型の慣用表現があります。
例えば、「止まない雨は」とくれば「ない」が来ますし、「移り行く街並み」とくれば「眺めてた」が来る、といったようにです。

BUMPの歌詞には、その慣用表現が来ると思わせてそうではない句を接ぐという、いわゆる「外し」がよく使われます。
外しを用いることでより印象的な歌詞になると同時に、日常に溢れている「無難だけれど決まりきった会話の応酬」に飽きている人たちの心にもメッセージを届けられる効果があると考えられます。

・大事なモンは 幾つもないさ(ダイヤモンド)
・自分のために歌われた唄など無い 問題ないでしょう(才悩人応援歌)
・信じなくていい 手は挙げなくていい 認めなくていい 全て君が正しい(イノセント)

外しの手法は「エスカレータ効果」という心理効果を生み出します。
エスカレータ効果とは、人の「これはこういうもの」という意識下の思い込みとは異なることが起きることによって、より強い印象が残すことができるという心理学的現象です。

同様の手法は、the pillows、Mr.Children、米津玄師などの歌詞にも用いられています。

共通する世界観

和歌の世界に歌物語や連作があるように、J-POPの世界にも同じ世界を別の曲として歌ったり、作中の物語の続きを別の曲で歌ったりすることがあります。
BUMPの作品の中で物語の続きを明記したものは現在「くだらない唄」と「続・くだらない唄」のみですが、登場人物や出来事、行動などから同一の世界の別の視点から切り取られたような作品がいくつか存在しています。

・ベストピクチャーとK
・車輪の唄と銀河鉄道
・セントエルモの火とトーチ

共通した世界観は聴き手に情景を思い浮かべやすくするだけでなく、その作品世界の味わいに深みとリアリティを与え、より聴き手の感情を揺さぶる効果があると思われます。
また、BUMPの作品には過去・現在・未来が重要な要素として歌われる曲も多いことから、作品は作品の中として時間の流れが存在することを同じ世界を歌うことで表現していると考えられます。

僕と君(I & You)

BUMPの歌詞に限らず、J-POPや歌謡曲は個人の視点や心情にぐっと寄り添い、「自己」と「他者」を対比させながら歌われるものが多くあります。
そこでは、色々考えたり感じたり、悩んだりする「僕(自己)」と、その考えや悩みの原因や結果として存在している「君(他者)」が存在し、僕と君が関わりながら、また時には全く関わることなく歌われています。

BUMPの歌詞の特徴として、自己の内面や視点にこれでもかというくらい近寄っており、その葛藤や矛盾の生々しさに聴き手は共感します。それが、「メーデー」という作品を境に、「僕」の視点の中にこれまでは対象だった「君」の視点への切り替えが発生し、自己と他者の物語になったように感じられるのです。

「メーデー」以前の僕と君
・リリィ
・ラフ・メイカー
・ベル

「メーデー」以後の僕と君
・時空かくれんぼ
・ウェザーリポート
・サザンクロス

 BUMPや藤原基央にどのような変化があったのかは分かりませんし、変化などないのかもしれませんが、対象としての「他者」から同じ存在としての「他者」への変化を感じ取るのも、奥深いBUMPの歌詞の楽しみ方の一つかもしれません。

コメント

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