
皆さんは朝型ですか?
それとも夜型ですか?
朝早く起きられたら朝型、早起きできず朝に弱いと夜型と、何となくそう思っている方も多いかもしれません。
朝型か夜型かという分類は意外と奥深く、人生の色々な側面に影響を及ぼすことが分かってきています。
朝型と夜型の特徴について、解説します。
朝型と夜型
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朝型の人とは、朝早く起きることを自然に好む人です。
一日の早い時間帯に、活発に行動します。
夕方には疲れを感じて来、日没後早くに寝る傾向にあります。
一方、夜型の人は、夜遅くまで起きて活動することを好みます。
夜間の方が集中し、より注意力が増します。
夜型の人は夜の方が「覚醒している」と感じやすい傾向にあります。
そのため、早朝や午前中の活動に苦労することが多いです。
朝型や夜型といった傾向をクロノタイプといいます。
クロノタイプ
クロノタイプとは、個人の日常生活のタイミング、特に睡眠と覚醒の周期に関する自然な好みのことです。
クロノタイプは、人の内部にある概日リズムと密接に関連しています。
概日リズムとは、いわゆる体内時計です。
約24時間にわたり、様々な生理的・行動的プロセスを制御しています。
朝起きてすぐに空腹を感じたりそこから朝食を摂ったりするのも、日没から5時間ほどで眠気が来たりベッドに行ったりするのも、概日リズムによるものです。
朝型や夜型といったクロノタイプの50%は遺伝的に決定されています。
つまり、生まれたときからどちらの型になるかはおよそ方向づけられており、それは両親の型に似るということになります。
ただ、後天的にクロノタイプが変わることもあります。
例えば、1週間の入眠タイミングが一定でないと、徐々に夜型になっていくことが知られています※1。
朝型と夜型の違い3選
朝型は経験にお金を払いたい、夜型はモノに払いたい
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皆さんはお金を何によく使いますか?
食料品や衣服、時計やバッグを買うためにお金を稼ぐ人もいます。
他方、学費や旅行、アクティビティのためには出費を惜しまない人もいます。
こういったモノにお金を払いたい人は夜型の人に多く、一方で経験にお金を払いたい人は朝型の人に多いことが分かっています※2。
何にお金を使いたいかは価値観の一部とされていますが、それは体内時計によって既に私たちの中に刻印されているものなのかもしれません。
夜型は認知能力は高いが賃金は低い、朝型は認知能力は劣るが賃金は高い
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ものを考えたり判断したりする能力を総合して認知能力といいます。
夜型の人は認知能力が高く、朝型の人は認知能力に劣ることが確認されています※3。
では、夜型の人の方が良い生活かというとそうとも限らず、夜型の人は収入が低く、朝型の人の方が高収入という調査結果もあります※3。
これは、夜型の人は運動不足や喫煙、飲酒量の多さが健康を損ない、結果として低収入になっているケースが考えられます。
一見、朝型の人は朝に活動し、夜型の人は夜に活動した方が健康にはなりそうに思えます。
自分のクロノタイプに合致していれば良さそうなものですが、実際は異なり、入眠タイミングが遅ければ遅いほど精神的な健康状態は悪くなってしまいます※4。
これはうつや適応障害になりやすいことも意味しているため、夜型の人はメンタル疾患への対策をより入念に行わなければならないということでもあるでしょう。
朝型と夜型は惹かれあう
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「自分に似た人の方が惹かれるか、それとも全く似ていない人の方が惹かれるか」といった論争はたびたび噴出します。
こういった問いに心理学は様々な角度から取り組んでいますが、その結論は自分に似た人により強く惹かれると出ています。
交際相手との一致度を調べたある調査では、特徴の一致度は80%以上であり、特徴の似通っている人を交際相手に選んでいることが示されました※5。
そんな中、交際相手と一致していないことの多かった特徴が、クロノタイプです。
朝型の人は夜型の人と交際していることが多く、夜型の人は朝型の人をパートナーに選んでいることが多かったのです。
朝型の人は夜型の人に惹かれやすく、夜型の人は朝型の人に魅力を感じやすい可能性が示唆されています。
出逢いのなさを嘆いている方は、活動時間帯を変えてみると、思わぬ幸運が舞い込んでくるかもしれません。
まとめ
朝型か夜型かは親から子に遺伝し、遺伝的に決定づけられているところもありますが、後天的に変化もします。
特に夜型の人は精神的な健康状態の悪化も示唆されており、早く起きて早めに眠れるようにできるのなら、そのような健康的な生活を送った方が、結果的には豊かな生活を送れるようになるかもしれません。
人は眠そうに見えると、4歳ほど老け込んで見えるそうです※6。
自分のクロノタイプを把握し、顔のシャキッとしている時間帯に人と会うことが、相手に好印象を与えやすくなる近道ともいえるでしょう。
クロノタイプを把握し、より健康的で幸福な人生にしていきたい方は、ぜひ一度当オフィスにご相談ください。
※1 欧米18ヵ国における青少年のソーシャルメディア利用と睡眠パターンとの関連性 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352721823000050
※2 幸福なヒバリと不幸なフクロウ: 朝型と夜型では、なぜ経験的な買い物と物質的な買い物で幸福感が異なるのか? https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/mar.22062
※3 クロノタイプと中年期の賃金との関連性 https://ideas.repec.org/a/eee/ehbiol/v50y2023ics1570677x23000473.html
※4 地域在住成人の大規模コホートにおける遅寝の身体的健康への悪影響 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39743471/
※5 22の特性に関するシステマティックレビューとメタアナリシス、および133の特性に関するUKバイオバンク分析に基づく、ヒトのパートナー間の相関の科学的根拠 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10967253/
※6 睡眠と主観的年齢:若々しくいたいなら睡眠を守ろう https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38531399/
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