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感情的な人が苦手

強い感情が湧き上がってきたとき、余裕がなくなったとき、人は感情的になります。
「感情を抱いていること」と「感情的になること」は似て非なるものであり、感情的になることは特定の意味合いーーもっぱら怒ることという、ネガティブな意味で使われる場面が多いです。

感情的とは何か、なぜ感情的になるのか、感情的な行動が苦手な人はなぜ苦手なのかを説明します。

感情的とは

感情というと、日本では喜怒哀楽が基本的感情といわれています。
心理学では、快不快の2軸を基本とするものや、喜び(glad)、怒り(mad)、悲しみ(sad)、怯え(scared)の4つを基本とするものなどがあります※1
また、ハーバード大学の意思決定センター(Harvard Decision Science Lab)の研究では、ポジティブ感情とネガティブ感情は計12種類あるとされています。

一方、「感情的」というと、そういったポジティブな感情もネガティブな感情も含んでいるというより、ネガティブな感情を表出したときに用いられることが多い表現です。
ポジティブな感情まで含むときは「感情豊かな人だ」というのに対し、「感情的な人だ」というときには、怒りっぽい、イライラしやすいといった意味合いで使われます。

「感情的」の対義語は「理性的」です。
「理性的な人だ」という表現は、冷静である、抑制が利いているといったポジティブな意味合いで使われることが多いこととも対照的です。
「感情的」という表現には、相手に対する侮蔑のニュアンスを含むという意見もあるように、感情的な反応や行動をとる人は、円滑なコミュニケーションをとることが難しいと思われるようです。

感情的になるのはなぜか

感情的になりやすくなるケースには2つのパターンが考えられます。1つは、環境に適応したケース、もう1つは、メンタル疾患になっているケースです。

例えば、学級崩壊寸前のクラスの担任になったと仮定してみましょう。
こちらが落ち着いて話してもかき消されてしまう、冷静に語りかけてもクラス全体には行き届かないときには、そういったアプローチを変えてみる必要があります。
そこで、正反対の対応ーー感情的なアプローチが想定以上にうまくいった場合、感情的な人になりやすくなります。

同じような状況は、他にもみられます。
大きな工場や工事現場で騒音にさらされながら指示を出す場合には、自然と声量も大きくなり、感情を込めたような話し方になるでしょう。
年長者が好き勝手話すような会議の進行をしなければならなかったり、逆に年少者が軽口を叩くのが常習化しているミーティングを運営しなければならなかったりする場合でも、感情的なアプローチが奏功するケースは多いでしょう。

最も多いケースは、家庭環境からくるケースです。
両親が怒鳴りがちだったりヒステリックだったりすると、それを「効果的だ」と見習った人は、感情的になりやすくなります。
家族の構成員が多く、感情的に発言することが最適だった人も、環境が変わってからも同様の言語表現を続けるケースもあります。

感情的なアプローチが有効な場面として、緊急性の高い業務に従事している場合が挙げられます。
戦場や救命救急の現場、危険度の高い場所での作業など、一分一秒が生命に関わる場所では、即効性が重視されるために感情的なアプローチが選択されやすくなります。
言い方や表現に気を配っていては命を落とすため、平時とは異なる言い方や表現をあえて用いる必要があるのです。

メンタル疾患に罹患している場合にも、感情的なアプローチが表出しやすくなります。
ストレス関連障害の一つである適応障害の場合、心的負荷の高さから攻撃的な行動をとりやすくなります。
例えば、物に当たる、物を壊す、苛立つ、大声を張り上げる、人と争うといったことです。

同じくストレス関連障害の一つであるPTSDの場合にも、感情的になりやすくなります。
PTSDの場合には、イライラや怒りっぽさが出現しやすくなり、過覚醒症状と呼ばれます。

トラウマを想起させるような外部刺激によって引き起こされる場合が多いですが、常に緊張状態が続いているケースでは、外部刺激のないときでも感情的になる場合もあるため、トラウマによるものかどうかは慎重に判断しなければなりません。
こういったメンタル疾患から感情的になっている場合には、早めに専門家による介入を行うことが必要です。

感情的な人が苦手なのはなぜか

対人関係やコミュニケーションの苦手意識は、大きく二つの要因に分けることができます。
その二つとは、疾病しっぺい性と非疾病性です。

非疾病性には、HSPや聴覚情報処理優位の傾向があります。
HSP(highly sensitive person)は、全人口の15〜20%いるとされる、高い感受性と内面の傷つきやすさを持った人のことです。
大きな音や強い光が苦手なところから、感情的な人の声や物音、いらだちや嫌悪を示した表情に接すると圧倒されやすいです。

不安や恐怖といったネガティブ感情を司る扁桃体へんとうたいが過活動になりやすく、相手がネガティブ感情を示すと、自分も同じようにネガティブ感情に襲われてしまうため、そうなる状況を避けるようになります。
扁桃体が過剰に働くと、思考がうまくまとまらなかったり、考えが言葉にならなかったりして一般の人よりも疲弊してしまうため、そういった相手への対応が苦手です。

視覚よりも聴覚による情報処理が優位な人も、感情的な人が苦手です。
視覚は視線を外せば見ないようにもできますが、聴覚はどの方向を向いていても音を拾ってしまうため、聴覚優位の人は耳に入ってくる感情的な人の言動により注意を割かれてしまいやすいのです。

一方、疾病性からくるものとして、同じくストレス関連障害があります。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)や急性ストレス障害(ASD)は、トラウマティックストレスにさらされたことによって発症する精神疾患ですが、これらに罹患していると感情的な人への対応が困難になります。

PTSDやASDは、大きな物音や衝撃によって侵入思考が生じたりフラッシュバックを起こしたりしますが、感情的な言動がこれらのトリガーになることがあります。
特に対人関係でトラウマティックストレスを経験した場合、ドアを強く閉める音、壁越しに聞こえる声、抑揚の過剰に大きな話し方など、たとえ自分に向けられたものでなくても心身に反応が起きてしまい、頭が真っ白になるその場から一刻も早く立ち去りたくなるなどの症状が現れます。

ストレス因子によって発症する適応障害も、罹患すると感情的な人への対応が難しくなります。
感情的な人がストレス因そのものという場合もありますが、そうでなくても、ストレス因子によって記憶を司る海馬が萎縮し、それまで行えていた対処行動を思い出せなかったり行動に移せなかったりするため、心的負荷の高い対人交流を忌避することが多くなります。

感情的な人の対処

イラッとしやすい、イライラしやすい感情的な人が自分の感情に目を向けて対処しようとするのは、あまり有効な手とはいえません。
いらだちが鎮まらないことに更にいらだってしまい、より感情的な言い方や態度になってしまいかねないからです。

感情的になる前から、次のような言い方や態度を心がけておくと「雰囲気が優しくなった」と言われるようになるので、試してみることをオススメします。

声量を小さくする

相手が「感情的」と感じる最たるものは、話している内容よりその話し方です。
特に感情的になると声量が大きくなりますので、普段から声量を小さくするよう心がけ、感情的になりそうになったときにも意識的に音量を下げると、いらだちも音量に比例して小さくなります。

感情的な人が苦手な人は、次いで声の大きい人も苦手という傾向がありますので、声量を抑えることは人からの苦手意識を減らすことにもつながるでしょう。

淡々と話す

感情的になればなるほど、話す圧が強くなったり息継ぎしたりするため、抑揚が大きくなります。
感情的な話し方になっていることに気づいたら、極力抑揚をつけないようにし、セリフを読み上げるように淡々と話すようにすると、感情的な人を苦手とする人も耳を傾けてくれるようになります。

話すスピードを落とす

話し方に感情が乗ってくると、話すスピードは加速度的に速くなり、早口でまくしたてたり、相手が話し終わる前に食い気味で話し始めたりするようになります。
早口になればなるほど感情にも歯止めが利きづらくなり、伝えたいことからも逸れやすくなりますので、人と話すときにはゆっくり話すことを日頃から心がけましょう。

相手から視線を外す

話す相手をまっすぐ見据えてしまうと、感情がたかぶるにつれて相手の姿にどんどん焦点が絞られていき、視野が狭くなっていきます。
普段から話しては視線を外し、視線を戻してはまた外すことを意識すると、感情的になって周りが見えなくなったり、話にのめり込んだりしづらくなって、冷静に話を進めることができます。

感情的な人が苦手な人の対処

声が大きい、喋り方の抑揚が大きい、早口、じっと見つめられながら話されると圧を感じるといった理由から感情的な人が苦手な場合には、何らかのメンタル疾患やパーソナリティ上の課題を抱えている可能性があります。
また、感情的な人に苦手意識のある人はその性質につけ込まれやすく、会話のイニシアチブを取られてしまったり、相手に有利な条件で進められてしまったりしやすくもなります。


カウンセリングや心理療法が有効な場合もありますので、社会生活に支障をきたしている方は、ぜひ一度当オフィスにご相談ください。

※1 TA TODAY 最新・交流分析入門, Ian Stewart & Vann Joines, 1991

コメント

  1. zoritoler imol より:

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