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ビジネス目線 -ポジティブシンキングの作り方02-

ポジティブシンキングを最も必要とするものの一つが、ビジネスの世界です。
日本が資本主義であるということも関連しますが、商業ビジネスの世界はあくなき利益追求のため、常に前向きさと不屈さが必要とされるからです。

ビジネスの考え方から、ポジティブシンキングをひらめくヒントを解説します。

ビジネスとは?

ビジネスとは経済行為のことであり、商談・商取引・売買などを指す言葉です。
非営利のものを含む場合もありますが、ここでは主に営利目的の行為や活動のことと捉えてください。

ポジティブに見たビジネス・ネガティブに見たビジネス

あまりにありふれているために意識していないかもしれませんが、お金を払って物を買った場合、買い手は物を得られていますし、売り手はお金を得られています。
共に得たい物を得ており、ビジネスの世界ではこれをwin-winの関係と表現することもあります。

これは、双方のポジティブな側面だけ見た状態です。

一方、ネガティブな側面だけ見れば、買い手は汗水垂らして稼いだお金を手渡しています。
また、売り手は、これまた多くの苦労と時間を費やして手に入れた商品を、あっさりと手放しています。

買い手はお金を失い、売り手は商品を失っています

ネガティブの裏に潜むポジティブ

これはビジネスに限った話ではなく、似たようなネガティブ感覚が生じることは日常的にあります。
こうした感覚に囚われているとき、実は裏ではポジティブな感覚も隠されているのです。

  • ネガティブな感覚表現
    失った・損をした・失くした・取られた・消滅した・負けた・騙された
  • ポジティブな感覚表現
    経験を得られた・体験できた・代替可能なもので済んだ・命は拾った・勉強になった

何でもネガティブに捉えてしまう人というのは、先の売買の例のように、失ったものの方だけ見ているようなものです。
うつ病適応障害によるうつ状態というのはこのような状態であり、継続的にそのようになる方は服薬やカウンセリングを検討しましょう。

反対に、ポジティブに捉えられる人というのは、物を得られれば物のことを、お金を得られればお金のことを考えられている状態です。
「売買のときにはできているけれど、普段の生活ではなかなか」という方は、ビジネスの経験が足りず、感覚が培われていないのかもしれません。

普段何気なくおこなっている経済活動ビジネスに注意を向け、ポジとネガ両面を見るよう、意識してみることをお勧めします。

ポジティブにばかり考えられないのはなぜか

最初はポジティブな面に注目できていても、段々とそれが当たり前になってしまい、次第にネガティブな面にばかり視点が向くようになってしまうことがあります。
就職や男女交際の例が顕著で、入社したときはこの上なく嬉しい、付き合えたときには至上の喜びを感じられたものが、時が経つにつれて負の側面ばかりが強調されてしまうようになります。

学習心理学では、これを「(刺激に)馴化じゅんかした」といいます。

ポジティブなことだけに満たされ続けることを生体は良しとせず、その状態に慣れよう、普通だと思おうとする力が働きます。 これが馴化です。
一方、一度馴化した刺激に再び反応するようになることをだつ馴化といいます。

先のビジネスの例のように、否定的な面しか見えなくなっている事柄でも、改めて肯定的な面を意識することが、脱馴化(慣れを脱すること)のきっかけになります。

三方よしの精神

三方さんぽうよしの精神とは、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の共立を目指す、商売の心得です。
江戸時代から明治時代にかけて活躍した、近江商人(今の滋賀県の商人)の経済哲学と言われ、その流れを汲む伊藤忠商事では、2020年から企業理念として掲げられています。

この三方よしにしたところで、ネガティブな側面にだけ着目すれば、三方しに変換することができてしまいます。
例えば、地方に大型商業施設を建設するとした場合、売り手とすれば「地方進出」、買い手とすれば「良い物が安価で手に入る」、世間とすれば「地域活性化」と三方よしですが、一方で「多額の投資(売り手)」「出費の増加(買い手)」「元からある商店の縮小や消滅(世間)」という側面もあります。

何事にも全方位的にポジティブということはなく、また逆に全てにおいてネガティブということもありません。
どちらか一方の側面しか見えていないということは、ただもう一方に気づいていないだけなのです。

ビジネスに顕著なのは、そんな世の中でも良い側面を見出そう、豊かさや幸せに繋げようとする意志の強さです。
ネガティブな側面にばかり目が行きがちな人は、ビジネスから学ぶところが多くあるのかもしれませんね。

うつ状態=ビジネスのできない状態

ビジネスの世界のポジティブシンキング――前向きさと不屈さについて解説してきました。

どんなものにも存在している肯定的ポジティブな側面を、あるときは融和のために、またあるときには利己のために努めて見つけようとするのが、ビジネスです。
あるいは、ビジネスというもののあり方そのものが肯定的ポジティブ、ということもできるかもしれません。

こう考えると、物事の見方が悲観的になり、自己にも他者にも否定的で、何事にも後ろ向きになってしまううつ状態は、ビジネスとの相性がすこぶる悪いことが分かります。
うつ病や適応障害には、落ち込みを主とする疾患や脳の病変という側面だけでなく、「ビジネスできない病」の側面もあるということです。

だからこそ、うつ病や適応障害かもと思われたときには、休職が有効な手立てになります。
ネガティブなまま仕事に取り組んでも、前向きさと不屈さを求める周囲との摩擦は増すばかりで、より苦しくなるのは自分だからです。

ポジティブな見方になりたい方、休職した方がいいか検討されたい方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

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