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ドリアン・グレイ症候群とドリアン・グレイ効果

皆さんは、見た目にどれくらい気を配っていますか?
『人は見た目が9割』といった本もあったように、人は見た目から多くの情報を得、また見た目を良くするために多大な注意を払ったり、資産をつぎ込んだりしています。

見た目を良くすることに人並みならぬ心血を注いでいる人は、ドリアン・グレイ症候群かもしれません。
また、顔や見た目に自身の性格が表れているように見えるのは、ドリアン・グレイ効果によるものかもしれません。

内面と外見に関わる仮説や研究をご紹介します。

『ドリアン・グレイの肖像』

ドリアン・グレイ症候群は、1891年発表の『ドリアン・グレイの肖像(著:オスカー・ワイルド)』という小説がその名の由来です。

美少年ドリアンは自分の美が永続することを願い、自分の加齢によって自分の肖像画の方が老いてくれることを願います。
その後、ドリアンは享楽的で向こう見ずな生活を送りますが、その反動は彼の肉体でなく肖像画に表れていきます。

このことから、ドリアン・グレイ症候群とは外見の良さ、若々しさに病的に固執し、それに多大な労力をかける状態のことを指します。

ドリアン・グレイ症候群とは?

ドリアン・グレイ症候群とは、自分の外見や体格に極端な自信を有し、身体的な老化や精神的な成熟に対応することができない状態を指す、文化的・社会的現象です。

ドリアン・グレイ症候群は、醜形恐怖・自己愛的性格・精神的身体的未熟さ(発達停止)の3つを特徴とします。
ドリアン・グレイ症候群の人は、化粧品やエステ、減量や育毛、美容整形、ED勃起不全治療などに心血を注ぎます。

ドリアン・グレイ症候群の原因として、精神分析学では、経年変化に対する防衛だという説が提出されています。
誰しも年齢を重ねれば老い、美しさや若々しさは失われていくものですが、そういった変化に適応できず、変わらないままでいたい、変わりたくないという意識が自己愛性を強化し、色々な症候を引き起こすと考えられています。

美や若さの追求を断念せざるを得ないとき、うつ病や自殺の危機に瀕することもあります。

ドリアン・グレイ効果とは?

ドリアン・グレイ効果とは、性格などの内的要因によって外見にその影響が表出する現象のことです。
人に優しい性格の人が容姿や目つきも優しい印象になったり、意地悪な人が目つきも鋭く、顔つきも険しくなったりする傾向を指します。

レズリー・ゼブロウィッツらは、子どもの頃から60歳になるまでの顔写真と性格検査の結果を照らし合わせ、どのような性格の人の顔がどういった変化をしていくかについて調査しました※1
その結果、攻撃性の高い人は少しずつ不機嫌そうな顔になっていき、悲観的な人は少しずつ悲しそうな顔になっていくことを確認しました。

この研究では、こういった傾向は女性のみに見られたそうです。
このことから、特に女性に関しては、内面を豊かでクリアに保つことが、より良い顔立ちや表情への近道かもしれません。

まとめ

化粧品や美容整形など、見た目を良くするアプローチの変化は目まぐるしく、日進月歩の進化を遂げています。
その一方で、心や脳内といった内面を良くするアプローチについては進みは遅く、うつ病や発達障害の原因も未だ明らかになっていないのが現状です。

内面を即座に変えることは難しいものですが、それでも少しずつ取り組んでいくことで変化は訪れ、うまくいけばそれは外見にまで影響し得るものであることを、ドリアン・グレイ効果は教えてくれています。
心の底から笑ったり楽しんだりできる、内側からの変容をご希望の際は、ぜひ一度当オフィスにご相談ください。

※1 面識のない他人でも正確な社会的認識はできる https://www.brandeis.edu/psychology/zebrowitz/publications/PDFs/Zebrowitz_Collins_1997.pdf

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